抄録
‘南高’梅干しに発生して問題となっている,果肉の一部が硬くなる果肉硬化障害の発生要因を調査した.硬化部の果肉切片をアニリンブルーで染色した結果,細胞壁が青く染色されたことから,硬化障害の原因物質はカロースであることが推測された.また障害果は,塩漬け前に核付近に空洞が確認された果実に発生し,空洞に隣接した組織の細胞壁がアニリンブルーで青く染まることから,障害果は果肉が核から引きはがされた裂傷部に傷害カロースが蓄積したものと考えられた.この裂傷は,果実が旺盛な肥大をした結果発生するとことが認められた.また,結果枝のデンプンの不足や,果実の生育初期に乾燥ストレスを受けることによって果肉の細胞数が少なくなることも,発生助長要因になると考えられた.