抄録
ブドウの無核果生産のためのジベレリン処理用カップの上部に円形のブラシを付けることによって,開花期の第1回ジベレリン処理と同時に花冠取りができる道具(花冠取り器)を考案した.本器は,ジベレリン溶液に花穂を浸漬する際に上部にあるブラシによって花冠が効率よく除去できるよう工夫されている.‘巨峰’および‘ピオーネ’の露地栽培樹で試験を行った結果,対照区(カップのみ)では,処理直後の花冠除去率が4~8%であったのに対して,花冠取り器区では46~53%であった.処理2日後では,対照区の花冠除去率が38~53%であったのに対して,花冠取り器区は70~76%であった.処理後の幼果ならびに収穫果においてブラシに起因する傷は果面上に観察されず,果実品質への影響は認められなかった.これらの結果から,‘巨峰’および‘ピオーネ’無核栽培に花冠取り器を利用することによって,第1回ジベレリン処理と花冠取りが同時に実施できることを示せた.