園芸学研究
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栽培管理・作型
立体写真測量法を用いた着生果実の三次元的形状,特に果実体積のリモート計測法
山本 隆儀紺野 靖
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2009 年 8 巻 4 号 p. 451-461

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抄録

立体写真測量用ソフトウエアを用いて着生果実の種々の三次元的形状,特に体積のリモート計測を試みた.胴部前面および胴部後面の写真内の果実表面における多くの点と果実境界線の三次元座標を計測した.陥没部の存在する果実では,さらに,陥没部表面上の多くの点とこれを取り囲む稜線の三次元座標をそれぞれ計測した.自作のコンピュータプログラムにより,左右輪郭線に囲まれた果実表面上計測点の最寄り4点を通る四角柱体積をそれぞれ計算し,合計し,果実体積とした.陥没部を有する果実では,さらに,稜線に囲まれた陥没部について同様な四角柱体積を合計し,陥没部空間体積とし,前者から差し引いて果実体積とした.室内で種々の物体や果実を対象にリモート計測を行い,実測値と比較したところ,両者の間にほぼ良好な関係が得られた.三脚の上に,カメラを左右にずらすことができる台や基準点セットを取り付けることで,野外における写真撮影装置を作製した.この装置を用いることで着生果実体積のリモート計測を行なうことができた.果実体積以外の様々な三次元的形状は立体写真測量用ソフトウエアのみで容易に計測できた.

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© 2009 園芸学会
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