2009 年 8 巻 4 号 p. 463-468
JM系台木と主要穂木品種の組み合わせにおける接ぎ目こぶと生育および接ぎ木部強度との関係を検討した.幹周はJM7台樹で最も大きく,穂木品種間および供試樹間で差異が小さい一方,JM5台樹で最も小さく,ばらつきが大きかった.台勝ち程度はJM2台樹で小さかったが,すべての組み合わせで台勝ちであった.接ぎ目こぶ程度はJM2およびJM7台樹は小さく,穂木品種間差異も小さかった.JM1,JM5およびJM8台樹ではこぶが大きく,穂木品種間のばらつきがみられたが,必ずしも幹周のばらつきと一致していなかった.接ぎ木部のせん断強度はJM2台樹で最も大きく,JM1およびJM5台樹で小さかった.これらの結果から,接ぎ目こぶ程度の大きい接ぎ木組み合わせは生育が劣るとは限らないが,せん断強度は小さく,接ぎ木部で折損しやすいことが明らかになった.