抄録
高温期におけるパンジーおよびミニシクラメンの生育を良好にすることを目的として,培地水分の気化促進が,培地温度と植物の生育に及ぼす影響について検討した.熱融着性ポリエステル繊維固化培地を用いた培地のポットレス化および培地への送風により培地温度は低くなり,両処理を同時に行った場合に最も効果が高かった.ポットレス化あるいは送風処理のどちらか一方の処理でも,パンジーおよびミニシクラメンの生育は促進される傾向が認められたが,最も効果が大きかったのはポットレス送風同時処理であった.パンジーではポットレス送風処理により,葉面温度の低下,枯死個体数の減少および地上部乾物重の増加が認められた.ミニシクラメンではポットレス送風処理を行った結果,高温期に発生する葉数が多くなり,出荷期の地上部乾物重,葉数および花芽数の増加が認められた.