2020 年 2 巻 p. 1-9
本研究では,対人関係ゲーム・プログラムを小学3年生に実施し,対人関係ゲーム・プログラムの実施が引っ込み思案行動,攻撃行動の高い児童にどのような心理的意味をもたらすのかを質的検討を通して明らかにすることを目的とする。介入学級は公立小学校3年生の1学級で,その中から2名の引っ込み思案児,2名の攻撃児,2名の引っ込み思案行動及び攻撃行動を併せ持つ児童を選定した。介入学級にはX年9~10月に計6回からなる対人関係ゲーム・プログラムを実施した。結果として,対人関係ゲーム・プログラムの実施を通して,対象児の攻撃行動,引っ込み思案行動の減少が見られた。プログラムへの参加を通して,クラスメートと関わる機会が増加し,それを楽しんだからだと考えられた。しかし,攻撃行動の減少には限定的な効果しか得られなかった。加えて,本研究で作成した仮説モデルはあくまで一事例からのものであるため,今後さらなる検証が求められる。