2019 年 4 巻 p. 25-32
目的:地域在住高齢者の5 回立ち上がりテスト(Sit to Stand-5、以下、SS-5)におけるQuality Of Life (以下、QOL)低下のカットオフ値を算出する。方法:一次介護予防事業に参加した65 歳以上の参加者155 名を対象に、SS-5 とEuro QOL 5 dimension の項目で主観的にQOL を評価した。Euro QOL 5 dimension は項目を正常と低下の2 群とした。カットオフ値はReceiver Operating Characteristic曲線のAria under curve (以下、AUC)により算出した。結果:SS-5 のカットオフ値は、それぞれ「移動の程度」で10.0 秒(AUC=0.72)、「普段の活動」で10.0 秒(AUC=0.77)、「痛み/不快感」で8.3秒(AUC=0.77)であった。結論:この研究ではSS-5 のカットオフ値を検証した。SS-5 におけるQOL 低下のカットオフ値は下肢とQOL の関連を示し、運動の動機づけするための具体的な目標値となる可能性が有る。