2019 年 4 巻 p. 17-24
本研究では個人と集団活動の両者を含むレジリエンス・プログラムを構成し、その効果を検証することを目的とした。調査対象者は首都圏の大学に所属している学生であり、全てのプログラム(1回90 分の計4回)を受講した者を分析対象とした。Sample 1 は53 名(男性11 名、女性42 名、平均年齢18.66 歳、SD=0.73)、Sample 2 は55 名(男性14 名、女性41名、平均年齢18.98 歳、SD=0.97)、Sample 3 は63名(男性25名、女性38名、平均年齢19.11歳、SD=1.86)であり、1回目(Pre)と4回目(Post)に質問紙調査(二次元レジリエンス要因尺度)を行った。分析の結果から、Sample 1 から3 ともに資質的レジリエンス要因では小程度以上(0.43-0.55)、獲得的レジリエンス要因では中程度以上(0.55-0.95)の効果量(d)が得られ、Pre からPost にかけてレジリエンスの得点が有意に上昇したことが示された。以上のことから、異なる対象者に実施したレジリエンス・プログラムにおいて同様な効果が得られ、本研究のプログラムの有用性が確認された。