抄録
新型コロナウイルス感染拡大は、刑務所内にも大きな影響を及ぼしている。感染拡大を防止するため、制限されたことは、刑務作業・炊場・入浴・行事・運動・面会である。本研究目的は、コロナ禍における感染対策が矯正施設の男性長期受刑者にもたらした影響の検討である。アンケート調査を2022年 2 月から 6 月まで実施した。研究対象者の属性は、108名(有効回答率14.4%)、平均年齢48.0±10.6歳、施設での平均生活歴9.8±9.1年である。「ストレスや不安の対象を理解している者」98名(90.7%)であった。長期刑の人がより感染対策に対するストレスが大きいとし、その影響を明らかにするため、従属変数を罪名とし、重回帰分析を行った。その結果、刑務所での生活歴・刑期も長い受刑者は、「自分と自分の家族への感染不安」を顕著に抱いていた。受刑者に施設内における感染状況に関する情報が提供されないことも不安要因となっていると考えられた。