抄録
精神障害者施設を利用する当事者が、施設で行われている活動や運営を共に考える当事者参画型の評価システムのあり方を考察するために、A県内の精神障害者施設40ヶ所の施設長もしくは管理者を対象に実態調査を行い、35ヶ所から回答があった(回収率は87.5%)。調査の結果、当事者の身近なものである日々のプログラムの立案や振り返りは当事者の声や意見が反映されており、当事者が参画していることがわかった。一方で、年間計画、中長期計画、施設運営に関する参画は少ない実態が明らかになった。また、当事者と共に施設評価を行った場合、「新たな気づき」「支援の質の向上」「意見の尊重」「環境への影響」「職員の変化」につながり、職員や施設にとってプラスの変化をもたらす側面があると考えていることが示唆された。そして、利用者と施設評価をすることの難しさとして、「当事者の本心が出づらい」「職員への攻撃」「個別対応の必要性」「状態・症状への影響」「当事者と施設との関係性の変化」を危惧していることが明らかになった。