人間福祉学会誌
Online ISSN : 2435-9254
Print ISSN : 1346-5821
社会福祉研究における感情史の有用性の検証
北川 博司
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 24 巻 2 号 p. 37-46

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抄録
社会福祉、ソーシャルワーク研究は、「よりよく生きる」ということは、どういうことかを考え、本人の思いや感情、何を大切に生きているかを受け止め、よりよい実践を目指し、実存的支援に関心を向けて質的研究が進められている。また近年、感情を主題にした歴史研究が進められている。これまでの歴史研究は実証主義に基づき科学性を重視し、研究者の感情や主観から距離を置いて来た。しかし、20世紀に入り、実証性の重視が研究対象の偏りや恣意的な編纂の影響を受け、客観的に歴史を解釈することが困難になってきたことから、社会構成主義などの現象学の影響を受け、研究対象を拡大する潮流が現れるに至っている。そこで、本稿ではそれぞれの指向について、これまでの研究の流れを整理することにより、学際研究の可能性を追求したところ、社会福祉研究における感情史研究はそれぞれに親和性が高く、有用であり、新たなパースペクティブを描く可能性を持っているものであることが示唆された。
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© 2025 人間福祉学会
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