抄録
本研究では、知的障害者の親が経験する意思決定支援の実態を実証的に明らかにし、相談支援専門員が親の支援に対し必要なエンパワメントの視点を示すことを目的に、軽度知的障害者の親を対象に、インタビュー調査を実施し、質的データ分析法にて分析を行った。結果、8 のカテゴリーと19のサブカテゴリーにより実態を明らかにし、家族エンパワメントの3 つの側面を枠組みとして整理し、親に対するエンパワメントの視点を①親のリソースでは【専門家の介入】【親自身の支え】②親の気持ちと動機では、内省的学びの【抑圧する経験】【親主導の意思決定支援】、内発的動機の【自己犠牲的な人生】【親が願う社会変革】③親の問題解決力では【子を肯定する力】【対等な親子関係を目指す行動力】であると提示した。考察では、意思決定支援は、親子双方が自律的な関係を築くための実践であること、本人・親と協働するソーシャルワーク実践であることが示唆された。