抄録
地域生活支援拠点等や基幹相談支援センターなど、障害者の地域生活を支える仕組みが整備されつつあるが、障害者の地域移行は計画通りに進んでいない。本稿は、障害者の地域移行や地域生活のキーマンとなる相談支援専門員に対してアンケート調査を行い、相談支援専門員の視点から地域移行の課題を捉え直すとともに、地域移行における入所施設の役割を考察したものである。
調査の結果、A県では入所ケースの7 割近くを法人に入所施設を有する相談支援事業所が担当し、2023年度は地域移行ケースの66.7%を占めていた。また、相談支援専門員の多くが入所施設を地域移行の障壁とは捉えておらず、「家族や本人への十分な説明」や「法制度の理解」を入所施設の役割として期待していることが分かった。入所施設を単に削減の対象ではなく、長年培ってきた障害福祉実践の蓄積を地域の社会資源として活かしていけるような地域移行のシステムづくりが求められている。