抄録
認知症高齢者は認知機能の低下により入退院に伴う環境変化への適応が困難であり、病院と介護福祉施設間の情報共有による一貫したケアが重要である。先行研究では、看護サマリーに認知症ケアに必要な情報が十分に記載されていないことが明らかとなっており、本研究ではこの課題を踏まえて認知症高齢者用の看護サマリーを試作し、その有用性を検討した。試作には起居動作や生活状況の「能力」、食事での誤嚥リスクやとろみの目安、認知症症状と対応方法、趣味・嗜好などを追加した。評価は職務経験5 年以上の看護師・介護福祉士計6 名に半構造化面接を行った。その結果、情報量や項目数は妥当とされ、「能力」の記載はADL 向上や離床ケアの促進につながると評価された。
一方で、項目の細分化や表現の修正、書式の統一、病院と施設の相互理解の必要性が指摘され、看護サマリーは認知
症ケアの継続性を高める有効なツールとなる可能性が示唆された。