日本保健福祉学会誌
Online ISSN : 2424-0036
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自己評価式精神障害者生活機能評価尺度(参加面)の妥当性と信頼性の検討
齋藤 深雪鈴木 英子吾妻 知美
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2015 年 21 巻 2 号 p. 19-29

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抄録
目的:国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Hea1th:ICF)は精神障害者の生活機能を評価することを可能にした。そこで、ICFを活用し、自己評価式精神障害者生活機能評価尺度を作成した。この尺度は課題や行為の遂行能力をみる活動面(18項目)と生活・人生場面への関わる能力をみる参加面(24項目)の下位概念から構成された。今回は参加面の妥当性と信頼性を検討した。方法:対象は、統合失調症である精神科デイケア通所者1,272名であった。研究者らは、郵送法による質問票調査を2回実施した。調査期間は2007年9月から2008年2月であった。結果および考察:因子的妥当性は5つの因子を抽出し、累積寄与率は54.4%であった。再テスト信頼性では、1回目と2回目の参加点に有意な関係が見られた(r=0.93、p<0.01)。折半法では、偶数項目の合計点と奇数項目の合計点に有意な関係が見られた(r=0.85、p<0.01)。内的整合性はα=0.67〜0.83であった。以上から、この尺度は一定の信頼性と妥当性が確保された。
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© 2015 日本保健福祉学会
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