国際P2M学会誌
Online ISSN : 2432-0374
IoPM実装に向けた数理解析による価値指標マネジメント支援機能の実現性考察
田隈 広紀
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2018 年 13 巻 1 号 p. 249-259

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抄録

多様かつ広範なプログラム活動を促進するプラットフォームにおける、特にICTを活用した価値指標マネジメントの支援機能の実現性を考察する。本研究ではまず筆者らが構想する「Internet of Program Management(IoPM)」の概略設計を示す。そしてその一要素として、プログラムの評価指標と達成目標の策定及び、それらを活用したマネジメントに求められる機能を、大手企業250社における新製品開発の各種実績値の統計分析に基づき検討した。この結果として、33項目の業績評価指標の候補のうち18項目は因子分析が可能な分布を示したこと、業績評価指標(KPI)を数理的に抽出する際の目的変数となる重要目標達成指標(KGI)は「新製品の利益率」が適していること、「新製品の利益率」と正の相関が認められた製品開発プロセスの過程で計画・評価される業績評価指標は「特許登録成功率」のみであったこと等が明らかになった。これらはICTを活用して価値指標マネジメントを支援するうえで、プログラム計画・評価指標の選択支援機能は因子分析を用いて実装可能であるが、各指標のターゲット(目標値)の設定には人的な目利きを介在させる必要があることを示唆している。

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© 2018 International Association of P2M and Authors
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