抄録
2000年頃から、M&Aは、事業再編や多角化、事業承継の手段として、日本企業の経営にも取り入れられてきており、今では、企業戦略の一環として定着している。M&Aは、P2Mの視点から見ると、買い手の立場に立った事業(企業)投資のプログラムマネジメントとなるが、投資したいという意思があっても、売りたいという売り手がいないと成立しないし、売り手と買い手の合意を得ないと、成立しない。また、売り手にとっては、売却が完了した時点で、終了するが、買い手にとっては、買収後に価値を生み出すマネジメントが必要となる。その意味で、通常のプログラムマネジメントとは、アプローチやリスクに対する見方が異なる。ここでは、この様なM&Aの特徴を明確にしつつ、P2Mで定義するオーナー(投資家)と言う買い手の立場にたって、プログラムマネジメントのアプローチを記述する。