抄録
ITサービス産業は受託型から価値創造型事業への転換という新たな局面を迎えている。しかし、日本のITサービス産業の特徴であるピラミッド型の重層で主従的な階層構造には、多くの問題が内在し、経済合理性が優先され、ITシステムが持つべき社会的価値を創造する機能が欠けているために、システムの大規模障害やプロジェクトの失敗は後を絶たない。本稿では、ITプロジェクトの参加プレーヤーが各々の専門性を十分に発揮し、対等な関係を構築するために、P2Mのプラットフォームマネジメントを適用した水平連携プラットフォームの構築を提案し、ロジックモデルを用いた合意形成とバランス・スコアカードによる目標共有の仕組みを検討する。