2014 年 9 巻 1 号 p. 107-126
サステナビリティを志向するP2Mの展開(サステナブルP2M)に関する企業内部の活動に注目して行ってきた。この研究成果を踏まえて、ステークホルダーとの間で共通価値を創造する方策の実現に向けてサステナブルP2Mを展開する。M. Porterが提唱している共通価値創造の概念は課題解決のプロセスを示すような記述的ではなく、規範的な戦略の定義に基づく内容であり、競争優位の一般原則を示している。このため、課題解決型アプローチであるP2Mにおいて、この「共通価値の創造」の概念をインプリケーションするために不可欠な、「バリューチェーンの生産性を再定義」について考察する。更に、P2Mのフレームワークにおいて「共通価値の創造」を具体化するプロセス、評価基準について提案する。更に、「共通価値の創造」に対するP2Mの有効性を示すために、企業外との産業クラスター創出事例並びに企業内での人的資源創出事例を提示する。