2014 年 9 巻 1 号 p. 95-106
ステージゲート法は80年代に北米で開発され、多くのハイテク製造業に普及した。日本では90年代後半から普及したが、導入する際は日米の事業環境の違いを考慮する必要がある。米国はベンチャーキャピタルの資金が豊富で大学発ベンチャーが多く存在し、種となる技術の候補が外に多く存在しているため、多産多死型の研究テーマ管理が可能である。一方、日本では内部で産まれた種を大事に育てる必要がある(少産少死型)。しかし、ステージゲート法は段階的にテーマに絞り込んでいくので、育てる工夫が欠けるとテーマが枯渇してしまう。本論では日本のブティック型の化学系企業を題材に、少産少死型の研究開発に適したステージゲート法を提案する。