2007 年 2 巻 1 号 p. 19-29
日本企業は90年代中期以降の厳しい冬の時代の中でただ耐え忍ぶばかりではなかった。そこにはこれを好機と捉え、自らの建物資産の有効活用に腐心する経営者の姿が伺えるが、この意識はまた建設産業に活力を与える結果にもなっている。そこで本稿では主に建築のリニューアル事業に注目して、企業の改革・改善活動が建築事業に使命を与え、建設業の実行プロジェクトから創生される情報を、サービス領域へとつなげる価値連鎖により事業革新を進める姿を探る。すなわち次世代の新しい価値創造に貢献する建設産業のサービスモデルの形とその取り組みについて論じるものである。