抄録
本稿では、戦略的提携による新事業創出のフレームワークを明らかにし、研究・技術開発力強化を目指す異なる組織間の協業システムが、不確実性の中でリスクをマネージメントするダイナミズムの仕組みを持つことによって、ミッションに応じたイノベーションのステージを進展させるのに有効であることを論じる。イノベーション過程を製品設計に結びつけるには、人、情報、技術、予算など資源のアロケーションと組み替えの試行錯誤によってアライアンスのシナジーを高め、予算・収益予測等の評価を行い成功確率の高いものを残していかなければならない。これは、グレーゾーンである曖昧なマネジメントのプラットフォームでおこなわれる。P2Mの枠組みと管理会計の観点から考察を加える。