抄録
プロジェクトマネジメント(以下PMと呼ぶ)標準は、職業人団体により策定され普及した。その発展の背景には、産業界における技術システムに対する大規模ニーズがあり、実践専門家に対する市場がある。しかし、大学や学界でプロジェクトマネジメントは、main disciplineではなく、ビジネススクール、建築工学、情報システム工学、経営工学領域の下部に位置するsub disciplineの状況にある。国際P2M学会ではグローバルな視点に立ち、PMを複雑な問題解決を志向する広域「統合学際科学」(integrative cross disciplinary sciences)として標榜している。幸い研究活動と成果が評価され、2007年に学会は日本学術会議の指定団体に登録された。本学会の最終目的は、PMをmain disciplineとして確立し、世界をリードする理論研究と教育を向上させ発信する好機と判断する。筆者は、今後のPMの理論進化と基盤強化を目指して、P2M開発の経験を通じ第四世代PMの学理的基礎となるメタ認識論を論じる。