国際P2M学会研究発表大会予稿集
Online ISSN : 2432-0382
ISSN-L : 2432-0382
2008 春季
セッションID: D-6
会議情報

D-6 ライフサイクルを前提にしたフェーズアプローチへの一考察(統合リーダーシップトラック,サービス化社会における知識結集型プロジェクトマネジメント-イノベーションとサステナビリティの基盤と方法-)
松平 和也市川 照久水野 忠則
著者情報
会議録・要旨集 オープンアクセス

詳細
抄録

1975年から情報システム開発方法論に取り組んで33年になる。米国生まれのPRIDEという方法論を日本に紹介してその適用に取り組み、200を超える日本企業に導入してきた。PRIDE方法論は基軸になるコンセプト:論が6つあり、方法は10フェーズに標準化されている。システムの構造化を前提にトップダウン、ボトムアップに情報システム開発維持管理をライフサイクルにおいて行うものである。中国で12世紀に生まれた十牛図は10枚の絵と頒(じゅ)という漢詩の教理コンセプトと序という説明文がセットになったものである。心の完成を目指す人間形成の方法論で十ステップの工程図である。米国に生まれた情報システム開発のフェーズアプローチと中国に生まれた禅宗の人間開発の十牛図が偶然相似していたのだろうか、歴史の古い機械工業製品の開発の場合はいかがなのか、また巨額の資金を投じる化学プラントの建設ではどうなのかを検証してみた。最後に、企業変革を進めるための組織開発の場合についての方法論を提案する。旧来の組織開発のやり方は場あたり的で組織に対してライフサイクルという考慮はなされなかった。組織開発というと、人材開発育成的な手法が多かった。きちんとした方法論を確立して王道により組織改革を進めそれをIT適用と連動させるには、先行する業界の方法論を学ぶべきことが有効であるとわかった。本考察から得た知恵は"論を大事にしろ、省略するな、正しい方法で王道を行け"である。何事にも、方法論から入れという平凡な結論こそ大事なのである。

著者関連情報
© 2008 International Association of P2M and Authors
前の記事 次の記事
feedback
Top