抄録
コスト削減は常に経営上の課題である。本論では、固定費、変動費でのコスト削減策を検討して、その効果を財務モデル(本年5月本学会ビジネスセミナーで紹介)を利用して、損益面、投資評価含めて検証を試みた。具体的には、固定費・変動費での同額のコスト削減の効果を比較してみた。結論は、コスト削減策では、固定費削減策が損益分岐点売上を低下させる効果があるも、売上見込み次第では変動費削減策の効果が優越する。また固定費削減といっても、現金流出を伴わない削減策、例えば減価償却費用削減はキャッシュフロー面での不利も考慮にいれる必要がある。P2Mマネージメントでは、削減策採用でも、モデル化による検証が求められる。