抄録
近年,大学全入時代が到来し,いわゆる「入口管理による学生の質保証」は,実現困難になりつつある.そのため「出口管理による学生の質保証」が重要視されてきており,大学ではこの実現に向けた具体的施策の考案が急務となっている.この状況を鑑み,筆者らは大学での卒業研究を通した学生の質向上に焦点を当て,ロジックモデルとバランススコアカードを活用した研究支援活動を実施した.さらに政府が策定したスキル標準である「社会人基礎力」と「学士力」を「学生の質」を測る指標に定め、卒業研究の過程で学生が上記を獲得できたかを調査した.本稿では上記活動の報告と,「出口管理による学生の質保証」の実現に向けた施策の考察を行う.