政府の「新成長戦略」にもある日本企業による海外インフラ事業進出への課題として、ファイナンスが重要であり、特に、公的金融が重要な役割をもつ。公的金融の融資形態は,輸出金融から投資金融、プロジェクトファイナンスと発展し、さらに事業環境整備のアンタイドの事業開発等金融、事業への出資参加から、ファンドへの出資、保証機能の活用など多様化し、近時、パッケージ型インフラ輸出への対応も期待されている。しかし、いかなる事業も資金提供者が撤退すれば消滅する。本論では、融資形態発展の紹介と融資可否(融資審査due diligence)の重点はなにか、さらにはインフラ輸出の国際競争激化の背景・対策にも言及する。