ウイルス
Online ISSN : 1884-3433
Print ISSN : 0042-6857
ISSN-L : 0042-6857
2021年度杉浦奨励賞論文
マイナス鎖RNAウイルスの増殖分子機構の解明とワクチン開発への応用
岩崎 正治
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 72 巻 1 号 p. 67-78

詳細
抄録

 ウイルスは限られた自身の構成要素(核酸,脂質,タンパク質)や宿主細胞機構を巧みに利用し,効率的な増殖を果たしている.ウイルス増殖に寄与するウイルス−ウイルス及びウイルス−宿主相互作用を分子レベルで理解することで,ウイルスが病気を起こすメカニズムや,ウイルス感染症に対する新しい治療法及び予防法の開発につながることが期待される.我々はマイナス鎖RNAウイルスである麻疹ウイルスやラッサウイルスについて,上記相互作用の解析による増殖分子機構の解明や,得られた知見を基にしたワクチン開発研究に取り組んできた.本稿では,これまでの研究で得られた成果について概説する.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top