抄録
本論文では、我が国の経済政策の運営を中央政府のプログラム・マネジメントと考える。景気動向指数(CI: Composite Index)は、中央政府による景気動向の判断に使用される重要な指標であり、生産、雇用など経済活動を反映する指標を統合して作成される。CIを構成する一指標である法人税収が、景気動向とかけ離れた動きをしたことを契機に、統計的に頑健な四分位範囲を用いて外れ値を検出し、補正する手法を2004年11月に採用した。ところが、リーマン・ショックの発生時に、同手法では、正常な景気動向を示していたデータを誤って外れ値として補正してしまうケースが生じた。本論文では、これに対応した外れ値の管理手法の改善を提案する。