抄録
日本の国際緊急援助医療チーム(JMTDR)^3は、海外で大規模な災害が発生した際、当該国政府の要請に基づき、被災地の医療支援を目的に派遣される。メンバーはJICAにボランティアとして登録する個人であり、チームを派遣する際には、災害の状況などから必要な専門性などを把握し、メンバーを選定している。こうして即席で形成されるチームが現地での短期集中的な任務を適確に行うには、どのようなメンバー構成になったとしても総体として能力を発揮させるための準備、その仕組みが必要となる。JMTDRのために構築されてきた様々な枠組み、活動は、総体としての能力を形成するプラットフォームとして有効に機能してきている。本論では、その成功要因について分析し、特定のミッションの達成を目的にボランティアで形成されるプラットフォームのモデルを提示する。