抄録
本研究では、富士フイルムとイーストマン・コダックの2社を比較し、環境変化に強いR&Dプログラムマネジメントについて提言する。2000年代初頭、カメラのデジタル化が進み、写真用フィルム関連市場は急激に縮小することが予測された。そこで2社の取った戦略は対照的であった。コダックはデジタル・イメージングの領域で占有的な地位を獲得することを目指し、経営資源の組み換えを積極的に行った。一方の富士は、既存のフィルム関連技術を活用して新たな事業を創出することを志向した。その結果、コダックは経営破たんしたが、富士は残った。この差は、経営戦略の違いに基づくR&Dプログラムマネジメントの違いにあったと考えられる。