抄録
地域社会は少子高齢化や人口減少など多種多様な問題を抱えている。財政縮減の中、すべての課題を解決することは難しい状況にある。地域社会にとって地域課題解決プロジェクトの選択は投資そのものであり、投資以上の価値を生むプロジェクトの選択が重要となる。プロジェクトの選択には、地域社会の価値創造の方向性を示したビジョンと、それを実現するための具体的な戦略が示されなくてはならない。本研究では、実行プログラムの起点となる「全体使命」において、3Sモデルに準じた「価値の発見」、「価値の実現」、「価値の獲得」の価値創造プロセスを導入し、ビジョンの設定と戦略を示した。この結果、複合的な地域課題の解決に有効な事例を得ることができたため報告する。