抄録
自社単独での価値創出が困難な現在、「ビジネス・エコシステム(BE)」戦略の構築が益々重要となっている。しかし、これまでの研究は事例研究が中心であり、BE戦略構築のための方法論に関する研究は少ない。そこで本研究では、有効なBE戦略を構築するための5つのフレームワーク(FW)を提案する。FW1では、P2M理論に基づき、内部・外部環境の入力情報から、出力情報のBE戦略を導き出すまでの一連の構築手順を示す。さらにFW1に基づき、システム、アーキテクチャ、標準化、階層型Abernathy–Utterbackモデルの各理論を適用するFW2~5を提案した。本FWの妥当性は、太陽光発電事業BE戦略の事例研究において、その健全性を示す3つの価値指標(生産性、堅牢性、ニッチプレーヤーの創出)を用いて確認した。