抄録
SDGsの普及により縦割りの社会課題解決支援策を統合的に運用する必要性が高まっている。とりわけ、統合的に運用するためのプログラムマネジメントの具体的な手法のモデル化が求められている。本研究ではP2M理論を用いて社会課題解決支援例を分析し、モデル化を行った。
そのうえで、アウトカム目標の設定および評価に関する祖語から生ずるプログラム全体・プロジェクトの遂行能力向上、価値向上が失敗する原因を追究し同じくモデル化を行った。
この結果、社会課題過越支援プログラムでは、アウトカム目標の設定・統合的マネジメント・3Sモデルの関係性が安定的に維持されていることが、プログラム・プロジェクト遂行能力、価値向上の前提であること。加えてPOによる複数プロジェクトの統合運用が促進要因となること。失敗事例(想定するアウトカムの達成、事業バリューの拡大等に失敗した事例)のほとんどは、プロジェクトサイドに全体最適への意識が欠けている ケースが多いことが明らかとなった。