抄録
近年、組織における課題解決や合意形成を支援するスキルとして、ファシリテーションが活用されるようになってきた。ファシリテーターとは集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きかけの役割を担う者と定義されており、その具体的なスキルとして「場のデザイン」を挙げている。一方でP2Mガイドブックや先行研究においては、組織・プロジェクトでのファシリテーターの有効性は議論されているが、育成のための具体的な方法は十分に明らかになっていない。そこで本研究ではファシリテーションに求められる4つのスキルの内の1つ「場のデザイン」に着眼し、その向上のための失敗体験パターンカードを提案、その有効性を確認した。