抄録
技術開発におけるP2Mの創造的統合マネジメントは、基礎研究からビジネス立ち上げまでの全体を俯瞰し関連部門間のコーディネーションを行う。このコンセプトを提示してから10年以上経過した。この間に、デジタル経済が急速に浸透し、商品のライフサイクルが短くなり、従来の産業分類を越えた新しいビジネスモデルモデルが台頭してきた。そのような環境の変化に対応する技術開発プログラムにおいては、ハードウェアとソフトウェアで商品化までの期間が異なる、さらに、商品開発のA-U (Abernathy-Utterback)モデルが必ずしも成立しないことを意識したマネジメントが必要になる。また、ユーザーの利用環境に影響を受ける商品の開発では、基礎研究の段階のスキームモデルで成果物のアウトカムを想定するが、商品を完成する段階では、利用者を含め、P2Mの3Sモデルを素早く回すことが必要であることを述べる。