抄録
複雑かつ不確実性がますます高まる社会において、理想を描き、自らの経営資源を生かした事業を構想し実現することで、低迷する社会に新たな活路をひらき、未来を担う人材の育成が求められている。事業構想大学院大学は、そのような人材育成を目的に開学し、多くの修了生が幅広い分野で活躍を始めている。ただし、理想の姿という多義的であいまいな目標を、具体的な価値創出として表現し、理想と現実のギャップを埋めながら事業として計画し、実現していく過程には、様々な困難が伴うことも事実である。本稿は、その困難を乗り越える手がかりをプログラムマネジメント論に求め、事業構想とP2Mとの接点を探り、P2Mの考え方を事業構想に適用することによる、学としての発展の可能性を指摘した。