抄録
本稿は日米エンジニアリング企業などの国際合弁事業(IJV;International Joint Ventures)の成功失敗の要因について、IJV内の情報共有や合意形成などが影響を与えている事を示した。しかし、そのメカニズムは単純ではなく、プロジェクトを取り巻く環境の不確実性による説明変数間の媒介効果や交互作用効果を多く含んでいる。これらをリスクマネジメントに関する既存研究を踏まえ、研究成果として、IJVの成功・失敗の要因分析は、上記の視点を統合した分析モデルに、P2Mで指摘されているプロジェクトの典型的リスク項目を適用して説明可能である事を明らかにした。