抄録
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、基礎自治体も脱炭素への取り組みを活発化させている。脱炭素は分野横断的政策課題であり、本来は、個別具体の地域課題の解決につなげつつも、中長期的には将来的な生活の質の向上や、地域の経済発展・雇用拡大等にもつながる、地域総合戦略としての展望を描くことが重要である。しかし、多くの自治体では、脱炭素を従来の環境政策の延長線上や個別政策分野で縦割り的に当てはめようとする傾向があり、実効的な脱炭素政策と地方創生への貢献の見通しが描けていない。その課題の構造を具体的な自治体の事例も踏まえ分析し、地域脱炭素実現に向けたP2M手法の適用の必要性や意義を明らかにする。