抄録
日本が直面している人口減少や世界全体のインフラ需要・社会のデジタル化に対しては、官民連携して取り組む必要がある。各社会課題への対応として期待されるICTの導入は、社会の持続的な発展に不可欠であり、日本政府が推進するICTインフラ輸出は、日本の経済成長にも繋がる重要な取組の一つである。その一方で、ICTインフラ輸出に向けた官民連携の在り方やその課題は複雑である。本稿では、日系企業の進出が遅れている地域に着目し、日本と共通の社会課題を有するペルーの防災分野へのICT導入事例について、3Sモデルを活用し、ICTインフラ輸出に関する官民連携による価値創造モデルを提示した。