抄録
基幹システムの保守フェーズでは、運用維持に留まらず、利用組織と保守組織が協働してシステム機能改善・有効活用サイクルを長期的かつ持続的に実行するプログラムマネジメントが求められる。しかし利用組織からの要望発信は限定的であり課題があっても顕在化しないため、気づきを与えて要望発信に繋げることが必要である。本稿では外部情報を収集し内部へ提供するゲートキーパー、情報経路・プロセスを示すゲートキーピングの2つの先行研究を基に利用・保守組織間の情報経路と利用者の気づき・要望発信行動に着目して事例研究を行い、利用者の行動パターンと課題を明らかにする。その上で課題を解決するための組織間協働モデルを提案する。