韓国では少子高齢化が急速に進行し、農村部では深刻な人手不足が生じている。2004年の雇用許可制の導入、2007年の訪問就業制の導入などにより、韓国の外国人労働者数は飛躍的に増加しているが、農村部での労働需要を十分に満たすことはできていない。韓国政府は、2015年に農業部門での季節労働者制度の導入に踏み切った。韓国の農業季節労働者制度は、受け入れの主体として地方自治体に大きな権限と責任を与える点が特徴的である。本稿では主にオム・ジンヨンらの報告に依拠しながら、韓国の農業季節労働者制度を紹介し、日本での導入の可能性を議論するために必要な今後の調査課題を明らかにしたい。