国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要
Online ISSN : 2433-5657
Print ISSN : 2189-5554
ISSN-L : 2189-5554
ロシア極東に見る日ロ関係の現状と課題 ~現在の経済協力政策で良いのか?~
竹村 豊
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 6 巻 p. 17-25

詳細
抄録

2017 年10 月時点で日ロ首脳会談は19 回を数え、ロシア極東ではロシア政府が進める一連の「極東発展国家プログラム」1 )に呼応するように日本政府は8 項目の経済協力を提案し、北方領土問題を抱える平和条約交渉を前進させようとしている。16 年12 月のプーチン大統領来日時に提案された北方領土4 島での共同経済活動は17 年9 月、両国政府が5 項目の事業を実施することで合意した。一方で両国間の貿易は依然としてエネルギー・資源産業分野に大きく依存しており、価格低下のため2014 年から16 年の3年間で貿易高は大きく減少した。今後、日ロ関係を持続的に発展させていく上で、資源エネルギー中心の大企業向け案件ばかりでなく、地方企業や中小企業の活躍できる場を提供することや起業家が参入できる仕組みを作るため、日ロ双方が努力すべきではないか。新規参入により新しいビジネスの可能性が生まれ、日ロ貿易の構造改革や将来的には日ロ関係発展にも資するのではないだろうか。

著者関連情報
© 2018 公立大学法人国際教養大学アジア地域研究連携機構
前の記事 次の記事
feedback
Top