抄録
筆者はアジア地域研究連携機構研究紀要の第1 号(2015 年6 月)に、「秋田犬の国際化戦略」、同3 号(2016 年8 月)に「秋田犬ブランドの活用策」と題して、秋田犬が世界的に人気を集めていることを指摘。海外の人気が国内にブーメラン効果で還流する動きがあることを紹介した。秋田県と大館市はこうした動きに注目し、いよいよ「秋田犬の里」として秋田と大館を売り込む観光戦略に着手した。目玉となるのは、JR 大館駅前に2019 年春完成する「ハチ公駅」であり、秋田犬数頭が常駐し、小型テーマパークの役割を担うことになる。本稿では、秋田犬人気がこの1 ~ 2 年に世界でさらに広がっていることや、県と大館市の観光誘致や広報に向けた秋田犬戦略、秋田犬保存会の新たな取り組みを分析。その課題を探るとともに、いくつかの提言を行う。