抄録
開発には二面がある。その1は新規な物品の開発である。特許を受け,その特許に基づいて製品を開発する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成により開発したソリ付き歩行器開発はこの一面を示している。その2は方法開発又は用途開発である。ヘンリーフォードが,それまで趣味の領域であった自動車を,庶民の移動手段,貨物の運搬手段としたのはその一例である。近年のビジネス特許も同様であろう。我々の目指す方法開発又は用途開発としては,ギリシア時代からの神話「杖をつき三本足で歩く」から「歩行器を利用し六本足で歩く」を提案した。これは発想の大転換である。用途開発の可能性に関して,歩行器開発に関する問題点,そこから生まれた開発補助金獲得と事業化の問題点,開発に伴う用途開発の必要性と可能性,そして本研究が生んだ実現可能性について述べた。