抄録
褥瘡予防未実施減算の導入が有り,褥瘡予防に適切な器具の開発が望まれている。我々はベッド数226床の療養病床を持つ医療施設及び介護老人保健施設において,3角形のクッションを利用した。この利用に関し,長時間の連続利用により,3角形の頂点部分が3ヶ月程度でへたるという欠点があった。柔軟で,血液循環を阻害しない利点を保持し,欠点を改善するため,あらたに5角形のクッションを開発し,利用し,評価した。評価方法は器具耐久性を10kg連続荷重および免荷実験により評価し,改善を確認した。効果の検証は圧力分布評価により行い,体圧分散に成功していることを確認した。当院勤務者に実施したアンケート調査で回答者101名中88%,89名が常時体位変換に利用している状態が明らかになり,新開発の有用性が確認できた。