2025 年 21 巻 p. 11-16
尿路感染は医療関連感染のなかでも上位となっているが,膀胱留置カテーテルは手技の容易さから十分なアセスメントがされずに安易に挿入されやすい.A病棟ではADL介助が必要な患者が多く,明確な使用理由がなく膀胱留置カテーテルが安易に使用されている現状があった.そこでサーベイランスによる現状把握とともに勉強会の実施やカテーテル関連尿路感染(Catheter-Associated Urinary Tract Infection: CAUTI)カンファレンス,膀胱用超音波画像診断装置の導入などの膀胱留置カテーテル留置(以下カテーテル留置)の適正化に向けた多角的な取り組みを行った.
勉強会のみではCAUTI感染率,カテーテル使用比ともに改善しなかった.CAUTIカンファレンス導入後は,統計的有意性は示せなかったものの,カテーテル使用比が減少し平均使用日数が短縮した.また,適応のない患者の膀胱留置カテーテルの早期抜去が推進し,カンファレンス時には患者の膀胱留置カテーテルの挿入理由を説明できるなど適応基準の適正化を認めた.加えて,カンファレンスの実施により,患者状況の評価や抜去検討の機会が増加し,意思決定プロセスが改善された.今後の課題として看護師主導のカテーテル管理体制の構築の必要性が示唆された.今後はこの取り組みを病院全体に拡大し,院内全体でカテーテル留置の適正化を目指すことが重要である.