抄録
前頭葉の脳膿瘍による右片麻痺患者の運動療法を経験した。除去術後も右上肢を中心とした麻痺が残存し,術後4ヶ月目から入院理学療法に関わった。一次運動野を中心とした障害ととらえられ,随意運動の改善が課題となった。運動療法は身体のアライメントを修正,固有受容感覚のフィードバックから自律的姿勢適応を促し,随意運動を促通した。20回の運動療法後,随意運動が改善し廃用上肢手から補助上肢レベルに向上した。今回の運動療法は,固有受容感覚フィードバックからの姿勢・運動コントロールととらえられ,随意運動改善に有益であった。