電氣學會雜誌
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鉛蓄電池の温度上昇に就て
石井 悦朗
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1921 年 41 巻 400 号 p. 816-823

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抄録

從來は、電池温度の上昇が電池の耐久力を減殺する主要原因の一つと見做されて居た。歐米の諸學者は38°C.乃至45°C.を以て電池の最大許容温度として居る。而るに余は「エキサイド」型電池極板數種に就て實驗したる結果、45°C.以上の場合に於ても、反つて其耐久力を増加する塲合少なからざるな發見せリ。余り温度低きに過ぐる場合に於ても耐久力を減殺せしむるものであつて、或る電液濃度に對して最大なる耐久力を有する温度あるを發見した。故に電池温度は成可く最大耐久力を有する温度若くは其以下に止めしめざるべからず。次に温度上昇を起す理論的考察な述べ、尚此の温度上昇が空氣温度、電液量、電流密度、冷却方法等と種々の關係ある事を理論並びに實驗的方面より觀察したものである。

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