電氣學會雜誌
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架空電話用ケーブルが送電線の爲に受くる電磁誘導電壓に就いて
金谷 一秀
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1925 年 45 巻 442 号 p. 429-442

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抄録

此れは架空電話用ケーブルの心線が、附近に存在する送電線の接地故障に際して受ける、電磁誘導電壓を考へたもので、特に他と異るのは、ベクトルの軌跡を用ひて被覆導體の常數、及び其の補償として設けた、接地誘導線輪の特性を、説明した點にある。此處に著者は、危險電壓誘導に對して、保安と云ふ見地から論じたので、雜音と云ふ方面の問題には觸れて居ない。一般にケーブルの心線は、被覆導體と殆んど等しい、起電力を受けるが、後者を接地するときは、此れに依つて電流を生じ、其の爲に心線は、二次的の起電力を受けるので、此の二つの間の位相の關係を適當にして、其の和を最小の値に、保つ事が出來るのである。本文に於ては此の如き補償作用を考へたに外ならない。最後に交流としての固有損失に依る、實効抵抗値をも考へに入れ、同樣に取り扱ぴ得る事を示して居る。

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